沖縄の人は内地の人に比べて時間にルーズです。
個人的にはけっしてそう思いたくないのであるが自分のまわりの様子を冷静に観察してみると、やはりルーズのような気がします。
時間にルーズなウチナーンチュ独特の時間感覚を「ウチナータイム」といいます。
しかし近年では、なにもかもが内地風になってきて、当然のことながらビジネスのアポイントは時間厳守であるし、映画の上映時間や船舶、モノレールのダイヤも正確です。
では、いかなる場面でウチナータイムが適用されるのでえしょうか。
交通機関ではバスです。
定刻通り運行することはまれで5分や10分の遅れは当たり前です。20分以上待たされる事もあります。そればかりか、逆に定刻より5~6分早く行ってしまうこともあるから厄介です。来るはずもないバスをひたすら待っている姿は実に侘びしい限りです。
しかし時間調整をやらないバスに対して文句を言っている利用客を、私は見たことが無いです。沖縄の人は、バスは定刻通りに運行しないものと思っているから、遅く来たり早く行ったりしても腹がたたないし、この程度でいちいち怒っていては沖縄で生きていくことができないからだ。この時間感覚をウチナータイムといいます。
ウチナータイムが重宝する場面もあります。
沖縄では、飲み会や模合、友人との待ち合わせなどの集合時間についてはずいぶんいい加減で、例えば8時集合と約束して居酒屋に行くと誰も居ないです。2~30分してからボツボツ集まり始めて、1時間後くらいでやっと全員集合です。
面白いことに遅れてくる人が謝ることはないです。「いや~っ!今夜も暑いねー。」で終わりだ。早く来ていた人が遅刻を責めることもないです。責めることはむしろルール違反になる、というバランス感覚が作用しているからです。この時間感覚もウチナータイムです。
こうしてみると、ウチナータイムという沖縄独特の時間感覚はウチナーンチュにおける人間関係の潤滑剤として実にうまく機能しているのかもしれないです。