サンゴ

2019/11/03

ダイバーの脳内では世界の海の8割くらいを占めるイメージだが、「サンゴ礁」という地形(あるいは環境、生態系)は赤道を中心とする熱帯・亜熱帯にかけての浅い海にしか存在しない。意外と狭い(サンゴやサンゴ群落は紀伊半島や伊豆半島、三宅島など温帯にもある)。
それでもサンゴ礁は重要だ。他の生き物の隠れ家や居住スペースになるだけではなく、生命に必要な酸素を作り出し、栄養分を提供するという陸上における森の役割を担うからだ。そのサンゴ礁にとっての脅威って?

「海のごみ」の画像検索結果

まずは海にゴミを廃棄しないこと。
次にきっちり中性浮力をとること。目当ての魚や生物に夢中になって、サンゴを蹴ったりタンクをぶち当てたりしないよう注意。
そして、サンゴとサンゴ礁について学ぶことも大切。例えばサンゴを食害するからと、その生物を安易に駆除していいだろうか? 大量発生時の小規模な駆除は間引きに過ぎず、もしかして逆効果では? そんな疑問を持つことも大切かも。さて、「国際サンゴ礁年」もそろそろ終了となるけれど、今後もダイバーとしてできることを、一人ひとりが考えていこう。

「ダイバーとサンゴ」の画像検索結果

沖縄の美しい海の中を想像すれば、まず思い浮かぶのが「サンゴ」ではないでしょうか。
サンゴは、沖縄の海の美しさを作り出すのに欠かすことのできない存在です。

まず、サンゴの働き。
サンゴは、海中の二酸化炭素を吸収して体内で光合成を行い、酸素と一緒にミネラルも水中へ放出します。このことで浄化作用が起き、海水を綺麗に保てています。

次に、死んだ後は海の美しい色を作り出します。サンゴの体は石灰質でできています。
石灰質が砕けてあのまぶしいほどの白い砂になり、さらに白砂は海底に届いた太陽光を反射して海水を美しいエメラルドグリーンに見せてくれます。
このことによって、沖縄の海の象徴である青と白の美しいコントラストを作り出しているのです。

沖縄の海には、200種ものサンゴが生息されています。
世界で確認されているサンゴは約800種類。
つまり、世界で生息しているサンゴの約1/4の種類が沖縄の海に生息しています。

「サンゴ」の画像検索結果

サンゴとは、分類学的には刺胞動物門花虫網に属する”動物”です。

一般に、サンゴと聞いて連想するものは上記の画像のような色とりどりの岩や枝の集まりのようなサンゴ礁でしょう。もちろん、この認識も間違ってはいません。

あの色のついた岩のようなものも、造礁サンゴというサンゴの一種です。

あの岩が動物だとは納得してもらえないかもしれません。そこでまずはサンゴという動物についてもう少し掘り下げてみましょう。

サンゴは、刺胞動物門に属するといいましたが、この刺胞動物門には、クラゲやイソギンチャクなども同じく属しています。

クラゲやイソギンチャクに共通する特徴として、毒を持つ触手を複数持っているということです。

そして、クラゲやイソギンチャクが毒を持つ触手を持っているのと同じく、サンゴも毒のある触手を持っています。

「イソギンチャク」の画像検索結果

上記の画像はイソギンチャクですが、このイソギンチャクを超ミニサイズに縮小したものがサンゴの本体だと思ってください。

また、この触手を含むサンゴの本体をポリプと呼びます。

つまり、サンゴというのは本来1mm~数cm程度の触手を持つ小さな個体(ポリプ)だということです。

サンゴ(ポリプ)は、自らを外敵から守るために、身の回りに石灰質の岩のような骨格を作ります。そしてその骨格を広げていき、自らのクローンを作り出しポリプの個体数を増やすと共に、更に骨格を広げていきます。

こうして長い年月をかけてサンゴ(ポリプ)が何百万、何千万と集合したものがこの岩のような造礁サンゴの正体というわけです。

すなわち、一般にサンゴとして知られているあの岩のようなものは、サンゴが作り出した骨格であり、実際のサンゴ本体はその骨格に住むポリプのことを言います。


この画像は造礁サンゴを拡大して見たものですが、小さな触手のようなものがいくつもあるのがわかるでしょうか?

これら一つ一つがサンゴ一個体、つまりポリプであり、造礁サンゴのように超小型のサンゴ(ポリプ)が無数に集まって一つのサンゴ個体のような振る舞いをするサンゴを群体サンゴと言います。

上の画像のサンゴはミドリイシというサンゴですが、ミドリイシは小さなポリプが骨格と共に長い年月をかけて大きくなった群体サンゴということですね。

また、サンゴ一個体がもう少し大きいサイズ(数cm)の個体で、そのサンゴ単体で一つのサンゴとなるサンゴを単体サンゴと言います。

「クサビライシ」の画像検索結果

上記は単体性サンゴのクサビライシですが、これが一つのポリプで一つのサンゴとなっている例ですね。

(触手が多いので群体サンゴだと勘違いしやすいですが、これらの触手は全て1つのサンゴのものです。)

まとめとしては、サンゴは思ってるよりも一つの個体としては小さく、触手を含む一つのサンゴの個体をポリプと呼び、このポリプが複数集まってできたものを群体性サンゴ、ポリプがそのままひとつのサンゴ個体となるものを単体性サンゴと言うということです。

サンゴには様々な種類があり、それぞれ違った形状、色彩を持っていて、それぞれに違った魅力があります。

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