沖縄の地形

2019/11/06

沖縄の自然風景と言えば、「青い空と海、白い砂浜」というイメージの刷り込みが強烈で、それしかないような印象だが、丁寧に見て歩くと起源の異なるさまざまな岩石がそれぞれの特徴ある地形を見せてくれている。確かにずっと温暖な気候下にあった土地柄から、サンゴ礁起源の岩の地形が中心になるが、プレートに乗って遠くからやってきた岩によるものもあり、それらを合わせて巡ってみたい。

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沖縄本島の地質 あらまし

沖縄本島の地質は、島の中央部あたりを境に大きく二つに分けられる。那覇などの都市が広がる中南部はおもにサンゴ礁を起源とする「琉球石灰岩」からなり、標高の低いゆるやかな丘陵地が続く。それに対して「やんばる」と呼ばれる山地が続く北部の地質は、できた年代も古く、遥か南の太平洋沖から海洋プレートに乗って来た堆積物からできている。「付加体」と呼ばれている。

沖縄自動車道を那覇から名護方面に走っていると、その地形の変化を車窓で実感することができる。空港周辺から西原、沖縄市にかけては、起伏はあるものの台形をした丘陵地が続き、丘の上まで宅地や耕地が広がっている。そして石川インターの手前から前方に山並みが現れると、以後は左手に照葉樹の生い茂る山並みが続くようになる。またうるま市の海中道路からは、平らな中部の島影に対して、白い巨大な石川発電所を境に北部が山地として高まっていく様子が側面から見ることができる。

琉球石灰岩

石灰岩は、サンゴや有孔虫、ウミユリなどの生物の死骸や殻が海のなかで堆積してできた岩石である。本州の秋吉台などで見られる巨大な石灰岩の層は、およそ3億年前に赤道あたりの温かい海で堆積したものが、海洋プレートに乗って運ばれてきたものだ。それに対して沖縄の島で見られる「琉球石灰岩」は、地産地消ではないが、この地で生息していたサンゴが起源となっている。堆積した年代もおよそ170万年前~50万年前と、秋吉台などの石灰岩と比べるとはるかに若い岩石である。

琉球石灰岩は、鹿児島県の喜界島から以南で見られ、沖縄県の土地の30パーセントを占める。万座毛をはじめ、景勝地となっている海食崖の高さを見ても、琉球石灰岩の厚さが相当あることがわかる。

その琉球石灰岩は「島尻層」と呼ばれる泥岩層の上に乗っている。島尻層はおよそ500万年前に中国大陸から流れ出た土砂が半深海で堆積してできたもので、層の厚さは2000mを越える。その後付近は隆起(島尻変動)し、島尻層の泥岩の一部が地上に現れ、波に侵食されて浅い海となった。琉球石灰岩は、この浅海に育ったサンゴが元になっている。

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浜比嘉島のキノコ状の岩。波と潮汐によって削られた岩の窪みが拡大してできた不思議な造形。
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沖縄本島を代表する景勝地といえばこの「万座毛」。琉球石灰岩の代表的景観である。波に削られた窪み(ノッチ)や大穴(海食洞)が絡み合い迫力ある奇景を見せている。
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