サンゴの出産

2019/11/08

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人の陣痛が開始してから出産までを分娩時間とすると、平均15時間もかかるという。哺乳類の中で、こんなに痛い時間が長いのは、人間だけと言われている。

人間に近いチンパンジーと比べても、約2倍も長い。他の動物たちと比べると、より差は明確だ。

たとえば、ウサギは草を食べながら、何ごともなかったかのように多産することで有名。ちなみに、雑誌「プレイボーイ」のシンボルマークがウサギなのはウサギがよく繁殖することに由来する。

また、犬もお産が軽いことが知られている。これにちなんで、「戌の日」に安産祈願をしたり、妊婦がお祝いしたりする文化もあるくらいだ。

生き物によって出産には様々なドラマある。今回はサンゴの出産について調べてみました。

沖縄産卵の時期は5月か9月満月の夜

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サンゴは5~9月にかけて満月の夜前後、産卵します。 種類によって生む月は異なります。 一般的にサンゴの産卵と言うと5~6月のミドリイシの仲間の産卵のことを指す場合が多いようです。

サンゴは無性生殖で増殖する場合もありますが、有性生殖も行います。精子と卵がつまった「バンドル」という小さなピンク色の丸いカプセルをいっせいに海の中に放出します。そのカプセルが海中ではじけ、精子と卵が結びついて新しいサンゴが生まれるのです。

サンゴの産卵時期は種類によって異なり、沖縄の場合、最も普通に見られるミドリイシ類の多くは5~6月、キクメイシ類などの多くは8月に産卵します。ほとんどのサンゴの産卵は年に1回。水温の季節変化に卵成熟を同調させ、1年近くの時間をかけて産卵の準備がされているのです。
卵が成熟すれば産卵は可能ですが、成熟してすぐに産卵するわけではなく、多くのサンゴが満月の頃を待って一斉に産卵します。この産卵日の同調性には、月齢周期と日没からの経過時間が影響を与えているようです。産卵日の同調性は地域によってさまざまで、オーストラリアのグレートバリアリーフでは満月の2~3日後に100種を超えるサンゴが一斉に産卵しますが、このような同調性の高い産卵は他の地域では希で、沖縄など多くの地域では産卵日がばらける傾向にあり、産卵直前の天候などによっても影響を受けるため、産卵日を正確に予想するのは難しいようです。

ミドリイシ

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腔腸(こうちょう)動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目ミドリイシ科ミドリイシ属の海産動物の総称、およびそのなかの1種。イシサンゴ類のなかではもっとも繁栄している属で、世界中の暖海に約150種が分布し、サンゴ礁を形成する造礁サンゴのなかでも、もっとも造礁性の高い仲間である。ムカシサンゴ亜目のなかで、隣接する莢(きょう)の間に発達する骨格であるペリテカをもち、それが多孔性であるミドリイシ科に属する。莢壁の内外に内莢と外莢を欠くことでアナサンゴ類と区別され、中軸個虫をもつことでコモンサンゴ類から区別される。生時の色彩は多くは褐色であるが、緑色、緑褐色、青色、紫色などがある。群体の形状も変化に富み、樹枝状、卓状、板状、被覆状、塊状などがある。多くの種では群体上方に枝を出し、その先端に中軸個虫をもち、枝の側面には中軸個虫より小さな側生個虫が全面に密生する。各個虫の莢は骨格表面より円筒状に突出する。莢内には12枚の隔壁があり、そのうち6枚は大きい。主としてインド洋から西太平洋、および西インド諸島の暖海サンゴ礁に分布し、サンゴ礁を形成するイシサンゴ類の最大のグループであり、暖海においては1年間に数センチメートルの成長がみられる。日本では房総半島以南に分布する。この類のうち高い枝状となる種はシカツノサンゴと総称され、卓状となる種はテーブルサンゴと総称される。
 ミドリイシは、館山(たてやま)湾以南の太平洋からインド洋までのサンゴ礁の浅海にもっとも普通に産する種で、岩礁側面に柄部で付着し、その上面に平板状の群体を形成し、各枝は短く水平方向に伸び、先端はやや斜め上方に立ち上がり、下面では各枝は成長に伴って互いに癒合する。全体としては岩面につく棚状の群体となるところからタナミドリイシの別名がある。近縁種に、卓状の群体となるエンタクミドリイシと、クシハダミドリイシが本州中部以南に分布する。エンタクミドリイシは卓状に広がった枝間がほとんど骨格によって埋められるが、クシハダミドリイシは柄部付近を除いて枝間は癒着しない。また、枝状の小塊となるエダミドリイシ、ツガミドリイシや、被覆状のオヤユビミドリイシ、ナカユビミドリイシなどが、本州中部以南に分布する。

キクメイシ

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腔腸(こうちょう)動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目キクメイシ科の海産動物の総称、またはそのなかの1種。キクメイシは、相模(さがみ)湾以南の水深2~20メートルに普通に産する。太平洋、インド洋のサンゴ礁域に広く分布し、もっとも普通にみられる種である。群体は塊状または半球状で、その径は通常20~40センチメートルであるが、3メートルに及ぶものもある。莢(きょう)はほぼ円形で径は約1センチメートル。隔壁は薄く約40枚、そのうち約15枚は莢心に達する。莢は表面よりわずかに突出するため、隣接する莢の間に溝がある。口盤内分裂による無性生殖で群体は成長する。ポリプ肉部の色彩は褐色、緑色、赤褐色などの変異がある。触手は無色透明で非常に長く、先端に淡黄色の刺胞球を備える。ポリプは夜間に活動してプランクトンを摂食する。多くのイシサンゴ類は陸水の影響を受ける環境では成育が適さないが、本種はそのような海域にもよくみられる。
 キクメイシ科の近似種には、口盤外分裂をするルリサンゴ属、マルキクメイシ属、トゲキクメイシ属や、口盤内分裂をするカメノコキクメイシ属、コカメノコキクメイシ属Gなどがある。これらは、いずれも骨格表面は菊紋状の莢が並び、キクメイシ類とよばれる。
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