海底酒

2019/11/27

沖縄では古来から泡盛を海に沈めるとより美味しくなると言い伝えられてきました。今でも海底酒として、1年もの、3年もの、8年もの、10年ものと空港の観光土産としても並べられています。

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泡盛だけでなく他にも海底酒があるようです。

こちらはウイスキー

海底熟成は基本的には、まろやかになる傾向があります。木の樽の中の熟成とは異なる方向性ですが、熟成が進んでいることがわかります。特に、アイラ10年のほうが変化を感じます。

アイラ10年はスモーキーでヨード香もありながら、上品でどっしりしたイメージです。グレーン43年は、芳醇な長熟感があり、バニラのような樽のニュアンスもたっぷりです。バターやチョコレートのような甘い印象もあります。

また、ウイスキー製造などに携わるプロや一般人ら数十人を対象に官能テストを行っています。全ての参加者が「味が変わった」と感じ、ほぼ全ての人から「まろやかになった」と評価されました。

続いてワイン

スピリッツの海中熟成実験でもその違いがさらに顕著で、どなたが飲んでも確実にわかるぐらいの違いがあります。また、元々アルコールで邪魔されていたのか、刺激が緩和されたことで、とても強くなった香りもあったように感じます。「開いた」と表現しても差し支えないのではないでしょうか。それ以外にも全体的にまろやかになったように感じます。タンニンや、酸、果実味など混ざり合うという表現がしっくり来るように思います。

慶応義塾大学の先端生命科学研究所の協力を得て成分分析をしたところ、アミノ酸や有機酸に変化があることがわかりました。アルコールの刺激がおさまることに関しましては、興味深い研究がこれまでにもたくさんあります。

例えば、超音波熟成の特許を持っている大手酒造メーカーがあります。科学的にはまだ解明されていませんが、音響を与えることで蒸留酒の分子の結合状態が変わりまろやかになるそうです。

科学的根拠があるわけではないので、私達の想像の域を出ませんが、これまでの実験などから海の振動が熟成に影響しているのではないかと考えています。

例えば、同じ酒を水深5m、10m、15m、20m、25m、30m、35mに沈め実験をしたことがあります。その際にどれも一様に同じような変化をしていました。

ここから想像するに、海底での熟成は紫外線や温度ではないように感じます。それ以外の要素としては振動以外にないのではないでしょうか。振動といっても瓶が揺れるわけではありません。音のような周波数です。海の中は波の音、石の音、鳴き声、様々な音が24時間365日あります。そして、空気よりも密度がとても高いので、遠くまで早く音が届く性質があります。振動もエネルギーです。それらが瓶の中に影響を与えているのではないかと考えています。

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海は全ての命の起源とされています。その海で静かに眠りの時間を得たワインやお酒たちが素晴らしい熟成を遂げるのは、海からの叡智を持った人間への贈り物なのかもしれません。

陸上での熟成では味わうことのない心地よい海の恩恵を、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか?

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