飽きない魚

2019/12/04

ミノカサゴ

ミノカサゴは、美しい長いヒレをたなびかせて優雅に泳ぐ姿から、海の貴婦人とも言われています。

だが油断は禁物。背ビレと腹ビレ・尾ビレに毒棘(トゲ)をひそめていて、刺されると激しい痛みが数時間続きます。

ミノカサゴは優雅な容姿とは裏腹に、少しふてぶてしい感じの、気が強い魚です。
自分が毒で武装していることを知っているからでしょう。危険が近づいても逃げようとしません。

それどころか、カメラ撮影などでしつこく付きまとうと、毒棘を立てて威嚇し向かってきます。ミノカサゴに過度な刺激を与えるのは禁物です。

ミノカサゴとは

ミノカサゴは、カサゴ目フサカサゴ科ミノカサゴ亜科に属する魚類の一種。背鰭と腹鰭・尾鰭に毒腺がある棘条(トゲ)を備えていることから、うっかり触って刺されると危険です。

ミノカサゴは暖かい海域を好み、インド洋や太平洋の熱帯・亜熱帯海域に多く生息していますが、わが国でも沖縄沿岸を中心にして、近年では北海道南部以南の本州・四国・九州各地に広く生息しています。ダイビングやシュノーリングを楽しむ場合には、うっかり素手で触ったりすることがないよう、充分に注意してください。

ミノカサゴの毒は強烈ですが、幸いにも人が死に至ることはないようです。ただ、激しい痛みがあり、患部が赤く腫れ上がります。負傷の程度によっては、目眩や吐き気を伴うこともあります。

ミノカサゴの仲間

ミノカサゴの仲間のうち、いくつかを紹介しておきます。いずれも胸びれ・腹びれ・尾びれに毒棘があり危険です。生息域はお互いに重複していて、南日本では複数のミノカサゴ属が同時に目撃されることもあります。

ハナミノカサゴ


ハナミノカサゴはインド洋または西太平洋のサンゴ礁に住む有毒の魚である。1990年代初旬から中旬にフロリダに持ち込まれたらしく、アメリカ合衆国の東海岸でも見られる。2001年夏までに、フロリダからニューヨーク州ロングアイランドにかけての大西洋岸で発見されている。

ネッタイミノカサゴ


ネッタイミノカサゴは、カサゴ目フサカサゴ科の肉食性海水魚である。熱帯域のインド洋から西部太平洋に分布し、日本では伊豆半島以南から小笠原諸島で見られる。 

キミオコゼ


キミオコゼ はインド洋と太平洋に生息する、フサカサゴ科に属する肉食で有毒の海水魚である。ミノカサゴの仲間としては唯一鰭棘に模様がなく、英名の”Clearfin lionfish”もこれに由来する。尾柄部に一対の白い水平な縞が入ることでも近縁他種と区別することができる。

キリンミノ


ウチワのような胸ビレのため、ミノカサゴやハナミノ、ネッタイミノと見間違えることはない。が、幼魚のうちは切れ込みがあるので注意。
●分布:南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、琉球列島;インド-太平洋
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